2020/05/26

          危険な穴ほり

宮崎市のよしこちゃんの話を聞いてください。
よしこちゃんの遊び場は 道路でした。車が少なかったから道路は近所の子供たちの格好の遊び場だったのです。馬が荷物を引いて通ることもありました。時折馬糞をおとしながらね。馬糞は藁が成分ですから あまり汚い気はしませんでした。



よしこちゃんは
幼稚園には いっていません。親に言われても絶対いくとはいいませんでした。

なぜなら
近所のお姉ちゃんに 「幼稚園は怖いところだ」と教えられていたからです。

幼稚園にいかないでなにしてたかって?ひとりであそんでいました。
お姉ちゃんたちが学校に行っている間に よしこちゃんは近所で一番ちびでしたからいわれたことをせっせとやっていたのです。

石をたくさん集めておいてとか
板を集めておいて
とか  
学校から帰ってきたらそれでみんなで一緒に遊ぶのです。



「よしこちゃん 落とし穴ほっておいてね」


今日は穴を 掘っておくように 登校のときの4年生の敏子ちゃんからいわれました。

穴ほりはだいすき。
でも 結構たいへんです。
結構土は固いし
石ころもやっかいです。
でかい石ころに突き当たると ガツンとします。
大きいようです
石の周りを掘っていくと たくあんいし くらいの大きさがありました。
石を取り出してのけるのは すごくたいへんでした。
黒くてべっとりとした 土はなかなか思うように深く掘れません。

学校から帰ってきた近所のみんなは ランドセルを家にほおりなげると
すぐに走って集まってきます。

「よしこちゃん 穴ほれた?」
「うん これくらい」
「ようし じゃあ みんなで ほるよ~~」

「おりゃ」

スコップやしゃべる 木の板で夢中であなほり。
やっと 深くなって

「すげえな」
「でかいあなだぞ」
「やったー」

人が入れるくらい 深く掘ったのははじめてです。

「そうだ ろうそくたてようよ」
「うん ろうそくたての よこあなもつけようよ」
「すごいな うちみたい」

みんなのなかで いちばんちびの よしこちゃんが アナにおろされました

「よしこちゃん どう?」
「うまく たてられる?」
「マッチ ほら わたすからね」
「うん」
「うわー 火が付いた」
「すこいね」
「きれいだよーー」

そのときです

コラーっつ なにやってんだあっ!!!!

ばかもん! 死んじゃうじゃないか!

通りかかったおじさんに


よしこちゃんは穴から ひっぱりあげられました。

ろうそくの火でで一酸化炭素中毒になり死んでしまうところでした。
おじさんが 通りかからなかったら
よしこちゃんは 今 生きていなかったかもしれません。

危険なあそびだったのです。








0 件のコメント:

暴走する遊覧船

暴走する遊覧船 秋田のしほこちゃんの話です。 今回は しほこちゃんこと はたけやま しほこさんがイラストと文章を、私ノコがアニメでコラボしました。のりたくなる楽しい箱ブランコ「遊覧船」をお楽しみください。           ♡ ♡ ♡ 世の中には今では無くなってしまった 危険な...