2020/07/10

ひろいなあ

ひろいなあ 仙台のゆみちゃん


仙台は大きな街ですが ゆみちゃんが小さかったころは高い建物といえばデパートぐらいしかありませんでした。平屋か2階建てのたてものばかりのそのころ ゆみちゃんの家の近くに 高層マンションができたのです。超高層のタワーマンションはまだ先のことでしたから その新しい6階建てのマンションは そびえたっていたのです。

ゆみちゃんは そばっを通るたびそのマンションをみあげて は 
「たかいなあ~~
あそこの上までのぼってみたいなあ~~
見晴らしいいだろうなあ」
と 何度も思うのでした。

そして 七月のある晴れた日 ピアノのレッスンにいく途中 ゆみちゃんは 垣根の向こうに見えた高い建物に吸い寄せられるように 角を曲がっていってしまいましいた。」
「よーし いーこうっと」
とマンションの入口に走っていきました。

いまでしたら セキュリティーが厳重で住民以外ははいれませんが 1020年まえくらいは だれでもはいれちゃうのです。入口に管理人室がありますが 管理人さんは ちょうど買い物から帰ってきた人たちが何人もとおるので 目もくれませんでした。

ゆみちゃんはすぐにある階段をあがりました。
たたた と 6階まで続く階段を一気にかけあがると屋上に続く階段がありました。

はあはあしながら重い鉄のドアを開けると まぶしい初夏のそらがひろがっていました。

「わあー 屋上だ 」
あたらしいピカピカのコンクリートがまぶしい。 鉄のさくのところまでいきました。柵は結構高くてゆみちゃんの背丈と変わらないくらいまであります。

「あれは駅だよ
あれは丸光
遠くに飛行場と海が見えます。
あたしんちは どこだろう
あのへんかなあ
あ あれが小学校だ。

遠くには山が見えます

もっとそばで 見たくなりました。
ゆみちゃんは サンダルを脱いで裸足になりました。
これなら 滑りません。よいしょと足を上げるとつま先が柵の上に届きました。鉄登りはだいすきなので 此の
柵くらいなら 登れちゃいます。
柵の向こう側は 
20センチくらいのコンクリで囲まれています。
その向こうには何もありません。

ゆみちゃんはその時 
「あ 見つかったら おこられる!!」と思いました。

それで そうーっと 屋上のへりから 真下をのぞきました

わー人が あんな小さく見える
やだー 車がおもちゃみたい
かおをあげると 川が見えます
みどりの木々がつづいて そのむこうには山があります
広いなあ
気持ちいいなあ

ゆみちゃんは またさくによじのぼり
サンダルを履いて レッスンのバックをつかんで階段を駆け下りました。
誰にもみつからなかったよ 

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